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色絵
第7章 満開
「さてカーテンを開けてください。」
恒例の御披露目の時間。
3部作の3花の絵の完成。
モデルを始めて良かった。先生との作品は、子供のいないワタシにとって、愛の証。唯一先生との時間を形にしたものだった。
最後の百合がとても淫靡だった。先生との行為を生々しく語る。
その絵の裏でのもっと濃い繋がりを思い出していた。
そしてこれから先、何を題材にしていくのだろう。
「先生…
次はワタシそのものを描いてください。」
午後、白い着物を纏い先生に話す。
「ちょっと見てもらいたいものがあるんですよ。」
鏡の隣にある扉から先生が居なくなる。
どうやら衣装部屋の裏側にあたる部分の部屋に繋がっているようだった。
先生が葛のようなものを持って戻ってくる。
「日本人って恥の文化、性に疎い民族と思われがちですけどね。
上手く伝承されていないだけなんですよ。」
葛を開けて巻物をテーブルに置かれる。
浮世絵。
ただ、私達が目にするようなものではない。