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色絵
第4章 色付け

「最初は手っ取り早く実物に塗って比べるんです。
慣れてきたら、大体で構わないし、実物に忠実になりすぎる必要もないですよ。」

テーブルのりんごが手元に置かれ、色をりんごに塗って確かめる。

失敗したらりんごを拭いて、また色あわせをする。


そのあと、平面的に描く、影だけで捉える、両方でと昨日のデッサンのように練習した。

「最後に内面を捉える練習をしましょう。」

先生はナイフでりんごを2つに切る。

切った面と今まで見えていた部分が並べられ、それを描く練習をする。

終わるとりんごを合わせて、もう一度元の状態にする。

「さっきみた内面もイメージして描くんですよ。味覚を想像するのもいいでしょう。」


先生の説明のようにして練習する。

先生の絵を見ているから、出来映えはあまり良くないが、教わるまえよりはずっと良くなったと思う。

「いきなり完成したら僕の立場が無くなりますよ。」

先生が読み取って答えられた。ワタシそんなに分かりやすいのかな…

モデルになったら、ナイフのような先生の心眼に切り開かれてしまうのだろうか…

「午後もお待ちしてますよ。」

先生が微笑みながらおっしゃった。
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