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色絵
第4章 色付け

「さて、また始めましょうか。」

ワタシは窓際に立ち下帯を外す。床に落ちたままの白い帯を目安に立ち位置を確認する。

先生が黙っているなかで自分から脱ぐのは恥ずかしかった。
着物の位置、体や顔の向きを下絵を元に先生が指示する。

「恥ずかしいですか?」

「はい…」

「でも休憩で色が引っ込んでしまいましたね。」

先生のいう色とは情欲…
元々色気はない方だし…

「肌の色合わせをさせてくださいね。」

色合わせって?

スウウゥゥ…

んあっ…

リンゴに絵の具を塗ったように、筆が背骨をなぞった。

「敏感ですね、いい反応だ。」

先生の息が掛かる。

ック…

斜め下に向けた視界には、先生の手と筆しか見えず、先生の表情は窺えない。
真面目なのか、楽しんでいるのか、蔑まれたのか…

「色が出て今塗った色より肌が赤くなりましたね。」

スウウゥゥ…

胸と脇の境目を筆が下から上えと滑る。

ンゥ…

恥ずかしいのに声が抑えられなかった。

「絵の具も少し赤を足さなければならないですね。」

先生が一旦離れて戻ってくる。

また背筋をなぞられた。
ゾクゾクする。快感から…


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