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色絵
第4章 色付け
貴女が帰った後、壁に掛けた絵の近くに2枚目を置き見比べる。断然2枚目の方が艶がある。そして心を開いている。
全てを見て直接触れる日がくると確信する。
こちらからはそんな素振りは見せない。
貴女から飛び込んできて欲しい。
牡丹、百合と続く構想を練る。ポーズは決まっている。
百合に持っていくまでにはそうならなければ。
衣装部屋も整える。直接肌に着けるものは洗濯する。綺麗にたたまれた腰巻きを持つと貴女の匂いがした。女の、雌の匂い。
鼻に近づけて胸いっぱい嗅ぐ。
「やっぱり貴女は、視られただけで濡らしてたんだ…」
ムクムクと僕の雄が勃ちあがる。洗濯機に持っていく。腰巻きをグシャグシャに丸めて小さくし、もう一度嗅ぐ。
ズクン…自身が着物の合わせを押し上げて痛い程に反り返っていた。
先生がお土産にまだ青い夏みかんをくださった。午前のレッスンで使ったものだ。
部屋に置いて香りを楽しんで、少し黄色く熟れたらレモン代わりに使ってもよいとくださった。
早速寝室に置く。
今日も夫は遅い。一人の夕飯となる。でも少し寂しくなくなったのだ。夫に邪魔されず、先生や絵のことを考えられる時間だから…