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アナザーストーリー【快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体】特別編
第36章 天国に行けば会えるよ…
達也はサントスと共に宿泊しているホテルの場所を教え、控え室へ入っていった。

それにしても思いがけない巡り合わせだ。

まさか自分がスポンサーをしている格闘技のイベントでセコンドとして来日していたとは。

しかし振り返った時に見たあの冷たい目付き…

まさか本当にマフィアになったのだろうか?
それに腕に見えたタトゥー。

タトゥーこどきで判断をするつもりは無いが、ブラジリアン柔術を使う格闘家、もしくは南米マフィアが好んで彫る十字架のタトゥーにも見えた。

(いや、まさか彼に限ってそんな事は無いだろう)

自分に言い聞かせるように沢渡はその場を去り、達也が宿泊しているホテルのロビーで待っていた。

このイベントにはかなり莫大な費用がかかっている。

選手や関係者の宿泊代、ファイトマネーだけでも一般人が聞いたら驚くような金額だ。

このホテルも選手達はスイートルームに泊まっている。

一流の格闘家を集め、世界最強を争うトーナメントだ、それなりの待遇で迎えなければならない。

沢渡はフロントに達也が来たら最上階のバーに来て欲しいと伝え、一人でバーのカウンターに入り、達也が来るのを待っていた。

スコッチを片手に達也がまだ中学生だった時の事を思い出していた。

(あの頃は明るい表情だったのに、さっき見た無表情と冷たい視線…あれは何だったのだろうか)

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