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第38章 気になる存在、及川楓

アホらしくなり、オレは部屋を出てマンガが置いてある棚をザッと見ていた。

何かいいマンガはないか、オレは棚に目をとられて隣にいた女性とぶつかり、

「キャッ…」と言って倒れてしまった。

ヤバい、周りが見えなかったオレのせいだ！

「あ、すいません、大丈夫ですか？」

オレは女性に起こそうとした。

黒のニーハイにチェック柄のミニスカート、白のリブボートの上に薄いベージュのジャケットを着た黒髪のセミロングにクリッとした瞳…

「あ、いえ大丈夫です…」

ぶつかった衝撃で倒れてしまったから、思わずミニスカートの中が少し見えた…

こりゃガン見したらヤバい、そう思い、相手の腕を取って起こした。

「どこかケガはありませんか？」

尻餅をついたような格好で倒れたから、大した事はないみたいだが、相手は女性だ。

しかも小柄でオレと年齢はさほど変わらない。

…ん？互いに顔を見てどこかで見たような気がする。

相手も少し首を傾げながらオレの顔をみていた。

「あの、もしかして古賀くん？」

…あぁ、確か見覚えがある顔だ。
だがオレは高校の終わり頃から徐々に視力が低下し、車の免許を取りに教習所へ行ったが、眼鏡使用が必要だと言われ、以来運転する時は眼鏡を掛けている。

普段は使用してないが、それでも至近距離から見ても誰なのか分からない…

多分、中学の時の同級生だと思うが、オレは当時女子とはあまり会話をしていなかった。

というか、女子に限らず、男子ともそれほど会話をしていなかったんだけど…

「…えっと、あの…」