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アナザーストーリー【快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体】特別編
第38章 気になる存在、及川楓
オレは必死になって中学時代の女子の連中の顔を思い出していた。
だが、誰がどんな顔してたのかさえ、サッパリ分からない。

「古賀くんでしょ?覚えてない?」

少し舌足らずな声、いたいた!けど名前が浮かんでこない…

「えっと、ゴメン。確かにオレは古賀だけど…その。えーっと」

ダメだ!名前が思い出せない!

「中学の時同級生だったじゃん?私の事覚えてない?」

ん?何か少し酒臭いぞ、コイツ。

「んも~、及川楓(おいかわかえで)よ、覚えてないの?」

及川楓…あぁ!確か中3の2学期机が隣だった…

「…あぁ、いや~随分変わったから分からなくて…」

実際はほとんど変わってない。

やや丸みを帯びた輪郭に童顔な顔立ち。

「そう?そんなに変わって見えた?」

楓は満更でもないような表情で久々の同級生との再会に笑顔が綻んだ。

「古賀くん、こんな所で何やってんの?」

何って、その…

「いや、ちょっと家のカギ持ってくるの忘れちゃってさ…で一晩明かすとこないかなぁってここに来たんだけど。そういう及川は何でここに?」

オレは咄嗟に適当な事を言ってごまかした。

「んー、さっきまで合コンやってたんだけどねぇ、何か面白くないなぁって思って、このまま真っ直ぐ家に帰るのもね…だからここに来てマンガ読んでたの」

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