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第65章 第一部完 兄との思いがけない巡り合わせ

全試合が終了し、リング上でヘビー級GPの覇者に輝いたヴォルグが表彰を受けている時に年は明けた。

まさに圧巻の強さ、相手を全く寄せ付けない試合運びで、最後は必殺のロシアンフック一閃でヒューストンは前のめりに倒れ込んだ瞬間、レフェリーが試合を止め、ヴォルグのTKO勝ちとなった。

打撃を受けて最も危ない倒れ方は、前のめりに倒れる事だ。

この倒れ方で即座にレフェリーは試合をストップした。

１回戦から決勝戦まで危なげなく勝ち抜いたヴォルグはKINGDOM初代ヘビー級チャンピオンとなった。

右肩には燦然と輝くチャンピオンベルトをかけている。


そして優勝賞金の一億円…その大きなパネルを掲げ、声援に応えていた。

試合終了後は全選手が集まり、記念撮影をして、KINGDOMの年末恒例のイベントは終了した。


カズは？リング上にはいなかったが、もしやダメージが酷いのだろうか。

「おじさん、控え室に行くことは出来ませんか？カズがどうなったのか気になるんです」

「オレからもお願いします。
カズの事が心配です」

ヒロトもカズの安否を気にしていた。

「そうだな。ちょっとダメージが気になるし。よし、じゃあ付いてきなさい」