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アナザーストーリー【快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体】特別編
第65章 第一部完 兄との思いがけない巡り合わせ
おじさんの計らいで、バックステージを通り抜け、関係者のみしか入れない控え室へ続く通路を歩いた。

普段プロ野球のロッカールームとして使用している部屋の中に入ると、中には数人の選手とセコンドが帰り支度をしていた。

その中にカズはいなかった。


「あの、カズは…桜井選手は?」

おれは側にいた他の選手のセコンドに聞いてみた。

「あぁ、ダメージがかなり酷くてね。試合が終わってすぐに病院に直行したよ、ありゃ鼻骨骨折か眼窩底骨折してるはずだよ」

やっぱり、あの顔面の腫れ方は骨折してるとしか思えなかった。


「マジかよ…骨折だけならまだしも、脳にダメージは無いのかな」

「そのために病院に直行したんだろ」

オレはヒロトにそう言ったが、内心は穏やかではなかった。

あれだけのパンチを食らったんだ、骨折だけならまだしも、脳へのダメージもかなりあるはず。

どうか無事であればいいんだが…

その時、控え室にいたフィーゴのセコンドがおじさんに声を掛けた。

「oh、沢渡のおじさん、久しぶりです!」

あの日本人がおじさんの知り合い?

おじさんはやや狼狽えながら、

「あ、あぁ、久しぶり。元気そうだな」

と素っ気なく答えた。

そのセコンドはオレたちを見て、挨拶をした。

彫りが深く、アゴヒゲをたくわえ、かなりの長身で、ハーフっぽいが、やや日本語が片言だ。


「はじめまして、私、立花達也です。おじさんには昔お世話になりました」

タチバナタツヤ…っ!まさかこの目の前にいるのがっ!

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