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アナザーストーリー【快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体】特別編
第27章 父親とハーフの兄の消息
中学生の頃で既に背が高いって何センチぐらいだったんだろ?

おじさんは175ぐらいだから、それで背が高いって言ったら180越えてるのかも…

スゲー!そんな背の高いアニキなのか!

「で、ブラジルで何やってるのかは分からないんですか?」

この際だから、アニキっていう人物の事を根掘り葉掘り聞いてみたくなった。


「…うん。ただ…」

おじさんは言葉を濁した。

「ただ…何ですか?」

まさかもうこの世にいないとか?

「いや、あくまで噂なんだが、ブラジルでマフィアの一員として活動してるとか…まぁ、あの国もかなり物騒な所だからね、もしかしたらそういう人と関わりを持っているだけだと思う。
そんなマフィアになるような人物じゃない、少なくとも中学生の頃の彼はとても真面目でサッカーが上手くてね。
やっぱり南米出身だけあって、名門校からスカウトが来た程、サッカーに関しては素晴らしかった。
彼も立花に似て真面目でスポーツ万能で…」

父親ってそんなに頭が良くて運動神経も良かったのか?

オレ、進学校に通うぐらいだから学力はそれなりかもしれないけど、運動は…

小学生の時に少年野球チームで外野を守って打つのは得意だったけど、守備がなぁ…

何かオレだけ父親の血を引いてないみたいだな…

「おじさん、父も背が高かったんですか?」

ふと思い付いて聞いてみた。

おじさんは頷きながら答えた。

「そりゃ高かったよ。おじさんアイツに勝てるの何一つ無かったからなぁ。あ、麻雀とかケンカぐらいだったらおじさんの方が上かなぁ~」

笑いながらおじさんは当時を振り返った。

「おじさん、そんなにヤンキーだったんですか?」

言われて見ればおじさんはダンディだけど、昔は不良っぽい感じの人なんだろうなぁってのは前々から思っていた。


「うん?ハッハッハッハ!自慢じゃないけど、一度も警察の厄介になった事は無いぞ!何せおじさん、そういうのはバレずに上手くやってたからな、ワハハハハ」

何だか今日のおじさんは当時を懐かしがって笑ったり、表情を曇らせたりと表現豊かな面をオレに見せてくれた。

しかし、会ってみたいな、父親と兄に…
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