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第3章 シーン　3

「お帰りなさい。」
「ただいま。」
「またお邪魔します。」
「いらっしゃい。」
　風間さんはあたしを直視すると嬉しそうに笑顔を向けた。
「先日はごちそうになりました。」
「いえいえ、こちらこそ何もお構いできなくて。」
「これ、お土産に買ってきましたので、皆で食べましょう。」
　風間さんはまたケーキの箱を差し出した。
「いつもありがとう。」
　普段と変わらぬ会話で、いつも交わされている内容なのだけれど、先日の事があって、言葉の一つ一つに何か意味があるような気がしてしまう。
　居間の方に二人が入ると、「今日はもう結構遅いので最初から酒にしよう。」と大輔があたしにウィンクしながら言って来た。
「予定通りで問題はないと思う。来る道々もあれからも里菜の奴お前のことばっかり言ってるから相当気に入られているぞって言ったら、そんな事ないですよと言いながら目がまじだった。」
「じゃあ、いいのね。あたしは気乗りしないけどなあ。」
「頼むよ、愛してる。」
「分かったわよ。頑張るから。」