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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第13章 第三話 【観玉寺の廃妃】  涙の味
 それに対して維俊は口ごもった。
「はあ」
 彼の脳裏に再会した直後の二人の様子が甦る。あれは主人と側仕えというより、旧知の友人同士の再会に近い印象を受けた。金淑媛はやはり少々風変わりな―いや、稀有な女性に相違ない。
 普通、身分の高い者であれば、あのように親しげに下の者に接したりはしないものだ。国王もまた身分に囚われない大らかな気性の方ゆえ、あのような女人を好まれるのだろうと思う。
 まだ下級の内官にすぎない維俊に対しても丁重な態度を取っていたし、王への手紙をしたためている間、雑炊をふるまって休養を取らせることも忘れない。優しいだけでなく、心遣いのできる聡明な女人なのだ。
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