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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第13章 第三話 【観玉寺の廃妃】 涙の味
「畏まりました」
恭しく下がっていく二人を見送り、ユンはホウと溜息をついた。封筒から出すのももどかしく、中から手紙を取り出す。四つ折りになったそれを開くときは気が急ぎすぎて、手がみっともなく震えてしまった。
冬空澄蒼蒼
我的心暗曇
嵐吹心揺騒
汝面影不消
ひろげた紙は薄様の美しいものである。今の季節に開く紅梅のたおやかな花を思わせる優しい色。それは明姫の人柄そのままを表している。