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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第14章 第三話 【観玉寺の廃妃】  祭りの夜
「誰も言ってくれないから、自分で言っているのだ!」
 ユンは断固とした口調で言い、ちらりと横目で明姫を見る。その刹那、おどけた表情の彼と視線が合い、二人はどちらからともなく吹き出した。しばらく笑っていた二人だったが、やがて、ユンがふっと笑いをおさめた。
「だが、嬉しいと言う割には、そなたは元気がない。あまり嬉しくはなさそうだ」
 明姫は微笑んだ。
「胸が一杯で―何も言えないのです」
 ユンが眉をつり上げる。
「何故? 何か思い悩むことがあるのか?」
「違います。今し方、殿―」
 コホンと小さく咳払いして、言い換える。
「旦那さま(ソバニム)のお書きになった灯籠を見て、胸がつまってしまって」
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