この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第14章 第三話 【観玉寺の廃妃】 祭りの夜
「誰も言ってくれないから、自分で言っているのだ!」
ユンは断固とした口調で言い、ちらりと横目で明姫を見る。その刹那、おどけた表情の彼と視線が合い、二人はどちらからともなく吹き出した。しばらく笑っていた二人だったが、やがて、ユンがふっと笑いをおさめた。
「だが、嬉しいと言う割には、そなたは元気がない。あまり嬉しくはなさそうだ」
明姫は微笑んだ。
「胸が一杯で―何も言えないのです」
ユンが眉をつり上げる。
「何故? 何か思い悩むことがあるのか?」
「違います。今し方、殿―」
コホンと小さく咳払いして、言い換える。
「旦那さま(ソバニム)のお書きになった灯籠を見て、胸がつまってしまって」
ユンは断固とした口調で言い、ちらりと横目で明姫を見る。その刹那、おどけた表情の彼と視線が合い、二人はどちらからともなく吹き出した。しばらく笑っていた二人だったが、やがて、ユンがふっと笑いをおさめた。
「だが、嬉しいと言う割には、そなたは元気がない。あまり嬉しくはなさそうだ」
明姫は微笑んだ。
「胸が一杯で―何も言えないのです」
ユンが眉をつり上げる。
「何故? 何か思い悩むことがあるのか?」
「違います。今し方、殿―」
コホンと小さく咳払いして、言い換える。
「旦那さま(ソバニム)のお書きになった灯籠を見て、胸がつまってしまって」