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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第14章 第三話 【観玉寺の廃妃】 祭りの夜
どんな善良な人物でも、金は時に人を夜叉にも変える。ソリが無用の災難に巻き込まれないためにも、それだけは言い聞かせておく必要があった。
「はい」
ソリは賢そうな黒い瞳をきらきらさせ頷いた。
「小花のことをよろしくお願いします」
小花というのは、ソリが連れてきた犬の名前だという。薄汚れた見た目は可愛くない犬だが、きれいに洗ってやれば、名前にふさわしくなるかもしれない。
小花はずっと大人しくソリの傍に従っていた。まだ成犬にはなりきっていないようだけれど、かといって生まれたての子犬というわけでもない。大人しく人によく懐いているところをみると、飼い犬に途中で棄てられたとも考えられた。
「はい」
ソリは賢そうな黒い瞳をきらきらさせ頷いた。
「小花のことをよろしくお願いします」
小花というのは、ソリが連れてきた犬の名前だという。薄汚れた見た目は可愛くない犬だが、きれいに洗ってやれば、名前にふさわしくなるかもしれない。
小花はずっと大人しくソリの傍に従っていた。まだ成犬にはなりきっていないようだけれど、かといって生まれたての子犬というわけでもない。大人しく人によく懐いているところをみると、飼い犬に途中で棄てられたとも考えられた。