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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第14章 第三話 【観玉寺の廃妃】  祭りの夜
「黄内官、宮殿に帰るぞ」
 鋭い一喝で、黄維俊は浅い微睡みから現に引き戻された。
「殿下」
 彼はよく訓練された内官らしく、素早く起き上がり房を出た。金淑媛付きの洪女官と和やかに話しながら夕食をご馳走になった後、彼は境内にある小さな房に案内された。
 これは広い境内に点在する小屋のようなもので、参詣にきた貴人たちが寝泊まりする際にも使用される。明姫の暮らす房もそんな一つであった。
 夜も更け名残は尽きなかったものの、まだよく知らない間柄の女人に対しては節度を守るべきだ。それくらいの分別はある。維俊は未練はひた隠し、洪女官と別れ、一人で案内された房に戻り、軽い仮眠を取っていた。
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