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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第15章 第三話 【観玉寺の廃妃】  再生
 その他には何も明かりはない真っ暗な池の面を灯籠が懸命に照らしている。明姫にはそのように思えた。
 自分もこんな風になりたい。その時、明姫は心から思った。ささやかでも良いから、明かりとなり愛する男の足許を照らしたい。
―明姫、良き名前だ。まるで都の空一杯にひろがる夜明け前の空のようだな。
 いつだったか、知り合ったばかりの頃、ユンが明姫の名前を褒めてくれたことがある。あのときのことを明姫はずっと忘れていない。
 これからは灯りになろう。最愛のユンのために彼の支えとなり、彼の褒めてくれた名前のように、彼のゆく手を照らすことのできる星になるのだ。
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