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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第15章 第三話 【観玉寺の廃妃】 再生
八重桜ありしだれ桜ありで、それぞれの桜の風情が愉しめる。八重桜は色が薄く、花片が幾重にも重なり見事だ。しだれ桜は紅が濃く、その流れ落ちるような枝振りも、女人の刷く紅のように艶(あで)やかな花の色もすべてが艶っぽい。
気まぐれな春の風が通り抜ける度に、桜の花びらがはらはらと零れ落ちる。春の青空を背景に咲き誇る満開の桜は夢の中の光景のように美しい。
「昔話になるが、聞いてくれ」
明姫が頷くと、ユンは彼女の身体を気遣ってか、墓の前に手巾をひろげ明姫を座らせた。
気まぐれな春の風が通り抜ける度に、桜の花びらがはらはらと零れ落ちる。春の青空を背景に咲き誇る満開の桜は夢の中の光景のように美しい。
「昔話になるが、聞いてくれ」
明姫が頷くと、ユンは彼女の身体を気遣ってか、墓の前に手巾をひろげ明姫を座らせた。