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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第2章 第一話 【桜草】 戸惑いと、ときめきと
ユンは小さく息を吸い込み、眼を閉じた。それから彼が再び話し出すまでのわずかな沈黙は、やはり彼の迷いを物語っているようにも思えた。
「ね、もう止め―」
無理に話す必要はないのだと言おうとした時、ユンが唐突に沈黙を破った。
「ソンドンは私の親友だったんだ」
今度は明姫が鋭く息を吸い込んだ。
「親友―」
「そう、同年代の友人らしい友人がいない私にとって、唯一かけがえのない存在だった」
ユンの瞳が遠くなっている。今、彼の記憶はソンドンと共に過ごした楽しかった時代へと遡っているに相違なかった。
「ね、もう止め―」
無理に話す必要はないのだと言おうとした時、ユンが唐突に沈黙を破った。
「ソンドンは私の親友だったんだ」
今度は明姫が鋭く息を吸い込んだ。
「親友―」
「そう、同年代の友人らしい友人がいない私にとって、唯一かけがえのない存在だった」
ユンの瞳が遠くなっている。今、彼の記憶はソンドンと共に過ごした楽しかった時代へと遡っているに相違なかった。