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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第16章 第四話 【永遠の少女】 愛しき者

もちろん、美しいことに変わりはないけれど、恐らく巷の人々が思い描いているような―かの唐の玄宗皇帝が熱愛したという楊貴妃のような肉感的な美女とは違うだろう。
聖君(ソングン)と呼ばれる英邁な国王を骨抜きにし、籠絡した傾国の美女、和嬪金氏の名はその頃、宮廷だけでなく都中で囁かれるようになっていた。時に明姫はユンとめぐり逢って六年目を迎え、二十一歳になっていた。その美しさはまさに咲き誇る花を思わせ、国王に一心に愛される稀有な女性の存在は国中の民の羨望の的であり、興味を集めた。
明姫に関する噂は様々な憶測が語られ、大方は先述したように唐の楊貴妃の触れなば落ちん風情の艶な―俗にいえば男好きのする美女を人々は勝手に思い描いていたのである。恐らくは〝傾国〟というイメージもそこから来たものに違いない。
聖君(ソングン)と呼ばれる英邁な国王を骨抜きにし、籠絡した傾国の美女、和嬪金氏の名はその頃、宮廷だけでなく都中で囁かれるようになっていた。時に明姫はユンとめぐり逢って六年目を迎え、二十一歳になっていた。その美しさはまさに咲き誇る花を思わせ、国王に一心に愛される稀有な女性の存在は国中の民の羨望の的であり、興味を集めた。
明姫に関する噂は様々な憶測が語られ、大方は先述したように唐の楊貴妃の触れなば落ちん風情の艶な―俗にいえば男好きのする美女を人々は勝手に思い描いていたのである。恐らくは〝傾国〟というイメージもそこから来たものに違いない。

