この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第16章 第四話 【永遠の少女】 愛しき者
事実はまさに相反するものであったが、まさに、明姫はその頃から既に生きながら伝説と化していたような感があった。
身支度を整え、後は王のお渡りを待つばかりとなった時、明姫は鏡を覗き込んでいた。明姫とて、そこはやはり女である。恋しい男には少しでも綺麗だと思って欲しい。そんな純粋な女心で鏡台を覗き、いささか濃いすぎる紅を指先で拭ったそのときであった。
折角ヒャンダンが丹念に塗ってくれたのだが、派手な化粧は元々好きではないし、自分の顔立ちには似合わないのは知っている。
身支度を整え、後は王のお渡りを待つばかりとなった時、明姫は鏡を覗き込んでいた。明姫とて、そこはやはり女である。恋しい男には少しでも綺麗だと思って欲しい。そんな純粋な女心で鏡台を覗き、いささか濃いすぎる紅を指先で拭ったそのときであった。
折角ヒャンダンが丹念に塗ってくれたのだが、派手な化粧は元々好きではないし、自分の顔立ちには似合わないのは知っている。