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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第16章 第四話 【永遠の少女】 愛しき者
「ヒャンダン、他人をいちいち疑っていては、キリがないわ。疑おうと思えば、何だって疑わしく思えてくるものでしょう」
幼い明姫がまだ入宮したばかりの頃、伯母の崔尚宮が言い聞かせた科白を明姫はまだ忘れてはいない。
―人を疑えばキリがない。逆に、自分が相手を信じれば、相手もまた自分を信じてくれる。疑惑は疑惑を生み、いつしか、その者は疑心暗鬼の塊となり、宵闇に揺れる枯れた花を見ても幽霊かと思い込むようになるであろう。良いか、明姫。相手に誠実になって欲しくば、まずは己自身が誠を尽くすことだ。
幼い明姫がまだ入宮したばかりの頃、伯母の崔尚宮が言い聞かせた科白を明姫はまだ忘れてはいない。
―人を疑えばキリがない。逆に、自分が相手を信じれば、相手もまた自分を信じてくれる。疑惑は疑惑を生み、いつしか、その者は疑心暗鬼の塊となり、宵闇に揺れる枯れた花を見ても幽霊かと思い込むようになるであろう。良いか、明姫。相手に誠実になって欲しくば、まずは己自身が誠を尽くすことだ。