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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第17章 第四話 【永遠の少女】 波乱
「何を申すか。腹の中にいる赤児が皆、このようであるはずがない。この子は特に賢いのだ。もっとも、私とそなたの血を引く子であれば、賢くとも不思議はない。考えてみれば、ウンも一歳に満たぬというに、話せるほど早熟な子であったからな」
現実は話せるといえたかどうか判らない。ただ言葉が出たのは普通の子より早かったのは事実ではあった。
明姫の脳裏に懐かしい光景が甦る。あれは去年の夏の終わりであった。夏の暑い日の朝、ウンを連れて親子三人水入らずで庭を歩いたことがあった。庭園の片隅に薄紅色の撫子がひっそりと忘れ去られたように身を寄せ合って咲いていて、ユンがその一本を手折ってウンの小さな手に握らせてやったのだ。
現実は話せるといえたかどうか判らない。ただ言葉が出たのは普通の子より早かったのは事実ではあった。
明姫の脳裏に懐かしい光景が甦る。あれは去年の夏の終わりであった。夏の暑い日の朝、ウンを連れて親子三人水入らずで庭を歩いたことがあった。庭園の片隅に薄紅色の撫子がひっそりと忘れ去られたように身を寄せ合って咲いていて、ユンがその一本を手折ってウンの小さな手に握らせてやったのだ。