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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第17章 第四話 【永遠の少女】 波乱
―聞いたか、明姫。ウンが喋ったぞ! 確かにアバママと言った。
ユンはもう踊り出しそうなほど歓んだ。
結局、ウンはそのひと月後、帰らぬ人となった。しかし、初めて片言とも言えぬ片言を喋って以来、ユンを見れば〝アバ、アババ〟と繰り返した。愛らしい笑顔で〝アバ〟と呼ばれる度、ユンは明姫にも見せたことがない蕩けるような笑顔でウンを抱き上げ頬ずりしていた。
恐らくウンは〝父上(アバママ)〟と言っているつもりだったのだろうが、まだ最後までうまく言えず、〝アバ〟と呼んでいたのだろう。生後十一ヶ月で亡くなったウンはとうとう〝アバママ〟ときちんと言えることはなく短すぎる生涯を閉じた。
ユンはもう踊り出しそうなほど歓んだ。
結局、ウンはそのひと月後、帰らぬ人となった。しかし、初めて片言とも言えぬ片言を喋って以来、ユンを見れば〝アバ、アババ〟と繰り返した。愛らしい笑顔で〝アバ〟と呼ばれる度、ユンは明姫にも見せたことがない蕩けるような笑顔でウンを抱き上げ頬ずりしていた。
恐らくウンは〝父上(アバママ)〟と言っているつもりだったのだろうが、まだ最後までうまく言えず、〝アバ〟と呼んでいたのだろう。生後十一ヶ月で亡くなったウンはとうとう〝アバママ〟ときちんと言えることはなく短すぎる生涯を閉じた。