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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第19章 第四話 【永遠の少女】 嫉妬
彼女は両方の手をひろげ、兄に指し示して見せた。
「これは大妃殿の庭園に植えた紅花で作った爪紅なのですよ。爪紅を作るのに長けた女官がおりまして、その者に任せたのです。色も長持ちして発色も良い極上のものができます。よろしければ、お帰りにお持ちなっては? 府夫人(王妃の母、対して父を府院君の尊称で呼ぶ。この場合は中殿の両親である領議政夫妻を指す)にことづけて下さい」
と、領議政は噛みつくような口調で言った。
「そのような悠長なことを仰せになっている場合ではございませんぞ」
「これは大妃殿の庭園に植えた紅花で作った爪紅なのですよ。爪紅を作るのに長けた女官がおりまして、その者に任せたのです。色も長持ちして発色も良い極上のものができます。よろしければ、お帰りにお持ちなっては? 府夫人(王妃の母、対して父を府院君の尊称で呼ぶ。この場合は中殿の両親である領議政夫妻を指す)にことづけて下さい」
と、領議政は噛みつくような口調で言った。
「そのような悠長なことを仰せになっている場合ではございませんぞ」