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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第19章 第四話 【永遠の少女】 嫉妬
おや、と、大妃は細い眼を瞠った。いつもは憎らしいほど冷静沈着な―まったく、この兄が動転することがあるのかと妹ながら疑いたくなるほど―兄がこんな風に露骨に狼狽えるのはあり得ない。
何かよほどの事態がしゅったいしたに違いなく、嫌な胸騒ぎに見舞われた。
「兄上、何があったというのです?」
領議政は今、文机を真ん中にして上座の大妃と向かい合っている。彼は更に身を乗り出すようにして、大妃に近づいた。それで、大妃は兄がよほど他人に聞かれたくない話をするのだと知った。
「まったく、とんだ女狐でした」
「女狐―とは」
大妃は言いかけ、ハッとした。
何かよほどの事態がしゅったいしたに違いなく、嫌な胸騒ぎに見舞われた。
「兄上、何があったというのです?」
領議政は今、文机を真ん中にして上座の大妃と向かい合っている。彼は更に身を乗り出すようにして、大妃に近づいた。それで、大妃は兄がよほど他人に聞かれたくない話をするのだと知った。
「まったく、とんだ女狐でした」
「女狐―とは」
大妃は言いかけ、ハッとした。