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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第22章 第二部【身代わりの王妃】 稚(おさ)な妻
春花は唇をいっそう強く噛みしめると、ありったけの勇気をかき集めた。国王さまが呼んでいる。
「はい」
それでも身体はなかなか言うことを聞かず、脚が動かない。まるで身体中が鉛になってしまったかのように重い。
理由は判っていた。行きたくないからだ。元々、春花は誰かに嫁ぐつもりなんて、なかった。幼い頃から暇があれば小刀と木ぎれを持ち、何時間でも仏像を彫っているのが好きな風変わりな子、それが春花という少女だった。
「はい」
それでも身体はなかなか言うことを聞かず、脚が動かない。まるで身体中が鉛になってしまったかのように重い。
理由は判っていた。行きたくないからだ。元々、春花は誰かに嫁ぐつもりなんて、なかった。幼い頃から暇があれば小刀と木ぎれを持ち、何時間でも仏像を彫っているのが好きな風変わりな子、それが春花という少女だった。