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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第23章 第二部【身代わりの王妃】 抜け殻
「馬ねぇ」
思案に暮れる娘に、店主はここぞどばかりに熱心に説明する。
「馬は馬でもそんじょそこらの馬じゃない。清国の大草原を走り回っている駿馬の毛でこしらえた筆ですぜ。そんな逸品はこの漢陽といえども、滅多に手に入りませんからね」
「清国の大草原を走り回っていた?」
その大袈裟な物言いがおかしかったのか、少女はクスクスと声を上げて笑った。
「お嬢さま、あっしが嘘をついてるとお思いなんでしょうけど、これは正真正銘の清国渡りの筆ですぜ」
店主もムキになったように言い募る。ユンは二人のやりとりを少し離れた場所から興味深く見物していた。
思案に暮れる娘に、店主はここぞどばかりに熱心に説明する。
「馬は馬でもそんじょそこらの馬じゃない。清国の大草原を走り回っている駿馬の毛でこしらえた筆ですぜ。そんな逸品はこの漢陽といえども、滅多に手に入りませんからね」
「清国の大草原を走り回っていた?」
その大袈裟な物言いがおかしかったのか、少女はクスクスと声を上げて笑った。
「お嬢さま、あっしが嘘をついてるとお思いなんでしょうけど、これは正真正銘の清国渡りの筆ですぜ」
店主もムキになったように言い募る。ユンは二人のやりとりを少し離れた場所から興味深く見物していた。