この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第26章 第二部【身代わりの王妃】 哀しみの果て
娘と同じ歳の妻に赤面して告白する良人。どう見ても、あまり体裁の良いものではない。間違っても、領議政には見せたくない場面だ。
「そなたを失いかけて、私は初めて気づいたのだよ。大切なものを得、守るためには、時には引くことも大切だと」
春花が立ち止まり、ユンも歩みを止めた。
「可愛い」
無邪気な歓声を上げる春花の視線を辿れば、その先には薄紫の桔梗がひと群れ、ひっそりと咲いている。白い蝶が一匹、花に戯れかけるように飛んでいた。あたかも一幅の絵画を見るような風景である。
「そなたを失いかけて、私は初めて気づいたのだよ。大切なものを得、守るためには、時には引くことも大切だと」
春花が立ち止まり、ユンも歩みを止めた。
「可愛い」
無邪気な歓声を上げる春花の視線を辿れば、その先には薄紫の桔梗がひと群れ、ひっそりと咲いている。白い蝶が一匹、花に戯れかけるように飛んでいた。あたかも一幅の絵画を見るような風景である。