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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第3章 第一話【桜草】 逢いたくて~恋ごころ~
「明姫は国王に遠慮して、身を退くのか? 顔も見たことのない男に操を立てて一生涯、誰にも嫁がず、宮殿で生涯を終えるというんだな」
「仕方のないことなの! 私たち女官は宮殿に入ったそのときから、そういう風に運命づけられているんだから」
「それなら、そなたは相手が国王ならば良いというのか! 相手が王なら、たとえ好きでなくとも、顔を見たことさえない男でも、素直に身を任せ抱かれることができるんだ!」
「お願いよ、困らせないで。判ってちょうだい」
明姫は立ち上がった。これ以上、彼と話しても意味はなかった。ただ互いに傷つけ合うだけだ。人生で初めて好きになった男、恐らく生涯で一度きりの恋をこんな形で終わらせたくはなかった。
「仕方のないことなの! 私たち女官は宮殿に入ったそのときから、そういう風に運命づけられているんだから」
「それなら、そなたは相手が国王ならば良いというのか! 相手が王なら、たとえ好きでなくとも、顔を見たことさえない男でも、素直に身を任せ抱かれることができるんだ!」
「お願いよ、困らせないで。判ってちょうだい」
明姫は立ち上がった。これ以上、彼と話しても意味はなかった。ただ互いに傷つけ合うだけだ。人生で初めて好きになった男、恐らく生涯で一度きりの恋をこんな形で終わらせたくはなかった。