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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第1章 第一話 【桜草】 桜草の出逢い

ならば、いっそのこと、生涯〝家族〟を持たず、誰とも深い関わりを持たずに過ごせば良いのではないかとしか考えられなかった。伯母のように女官として生涯を国王に忠誠を捧げて生き抜くのも悪くはない。
小柄な明姫は山のような書物を抱えていると、前方が見えない。今もよろよろとしながら庭を歩いている。ゆえに、向こうから誰かが走ってくるのはもちろん視界に入っていなかった。
当然ながら、息せき切って走ってきたその人物と彼女はまともに衝突する羽目になる。
誰かとぶつかった衝撃で、明姫は思いきり後方にはじき飛ばされた。
「い、痛」
みっともなく尻餅をつき、腰を地面にこれでもかというほど打ちつけてしまった。
小柄な明姫は山のような書物を抱えていると、前方が見えない。今もよろよろとしながら庭を歩いている。ゆえに、向こうから誰かが走ってくるのはもちろん視界に入っていなかった。
当然ながら、息せき切って走ってきたその人物と彼女はまともに衝突する羽目になる。
誰かとぶつかった衝撃で、明姫は思いきり後方にはじき飛ばされた。
「い、痛」
みっともなく尻餅をつき、腰を地面にこれでもかというほど打ちつけてしまった。

