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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り
そこはやはり若い娘のこと、全体的にピンクを基調とした衣装を纏えば、自然に心も弾んでくる。正門を出てしばらく歩いた頃、ふいに後ろから抱きしめられた。
次いで、男にしてはやわからな手で目隠しをされる。あたかも深い緑陰を思わせるような清々しい香りに包まれたのは、抱きしめてきた男が好んで身につける香りだから。
「―ユンね?」
すぐに目隠しが外れ、軽やかな笑い声が聞こえた。
「何だ、つまらない。こんなに早くに判るなんて、面白くも何ともないじゃないか」
言葉とは裏腹に、ユンの顔は機嫌良さそうに笑っている。
「だって、声だってもう憶えてるし、あなたの手の感触だって、匂いだってすぐに判るわ」
次いで、男にしてはやわからな手で目隠しをされる。あたかも深い緑陰を思わせるような清々しい香りに包まれたのは、抱きしめてきた男が好んで身につける香りだから。
「―ユンね?」
すぐに目隠しが外れ、軽やかな笑い声が聞こえた。
「何だ、つまらない。こんなに早くに判るなんて、面白くも何ともないじゃないか」
言葉とは裏腹に、ユンの顔は機嫌良さそうに笑っている。
「だって、声だってもう憶えてるし、あなたの手の感触だって、匂いだってすぐに判るわ」