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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り 
 もちろん、その間も常に何か急な用事はないかと注意を怠ってはいなかったけれど。
 尚宮に命じられた女官は入り口近くまで駆けてきて、丁度その場所にいた明姫に声を掛けた。
「大妃さまがこの一角の牡丹を伐って中殿さまに差し上げるようにと仰せだ」
 格上の先輩女官なので、当然ながら物言いも横柄である。大妃殿や大殿で働く尚宮や女官はやはり他部署の一般の尚宮・女官たちと比べると、気位が高い、自分たちは上宮に仕えているという意識が強いのである。
「判りました」
 明姫は頷くと、すぐに鋏を持ってきて牡丹を伐った。とりわけ見事に咲いている牡丹だけを選ぶ。緋色も濃く花も大ぶりなので、数本束ねただけで豪華な花束になった。
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