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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り
その花束を恭しく捧げ持って上座に向かう。もちろん、今も演奏をしている楽団の背後を回って人眼につかないように移動しなければならない。
いよいよ国王夫妻や大妃の側近くまで来たときのことだった。数本の牡丹の中の一つから、ポトリと花が落ちた。
「―!」
明姫は息を呑んだ。
周囲にいた女官たちも異変に気づき、ひそひそと囁き始める。大妃の後ろに控えていた女官―明姫に花を摘むようにと依頼した―がまず眼を瞠り、その前にいた尚宮に事の次第を耳打ちした。
「何と、中殿さまに献上する牡丹の花冠が取れたと?」
いよいよ国王夫妻や大妃の側近くまで来たときのことだった。数本の牡丹の中の一つから、ポトリと花が落ちた。
「―!」
明姫は息を呑んだ。
周囲にいた女官たちも異変に気づき、ひそひそと囁き始める。大妃の後ろに控えていた女官―明姫に花を摘むようにと依頼した―がまず眼を瞠り、その前にいた尚宮に事の次第を耳打ちした。
「何と、中殿さまに献上する牡丹の花冠が取れたと?」