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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り
だが、自分の恋した男がよもやこの国を統べる王であるとなど誰が考える? 平凡な娘、下級女官にすぎない自分の想い人が国王だなんて、誰が信じる?
私が十五年の人生で初めて好きになった男は、この朝鮮国の王だった―。信じがたい衝撃がやっと哀しい現実として認識できた刹那、明姫の大きな瞳から、はらはらっと涙がこぼれ落ちた。とめどなく溢れる涙は地面を濡らし、黒い滲みを点々と作る。
二人で寄り添って肩を並べて歩いた都の大通り、隠れ家で、まるで無邪気な子どものように膝枕をねだってきたユンの屈託ない笑顔。更に人気のない殿舎で明姫を情熱的に求めてきた彼の熱っぽい視線や明姫の身体中をまさぐった悪戯な指。
私が十五年の人生で初めて好きになった男は、この朝鮮国の王だった―。信じがたい衝撃がやっと哀しい現実として認識できた刹那、明姫の大きな瞳から、はらはらっと涙がこぼれ落ちた。とめどなく溢れる涙は地面を濡らし、黒い滲みを点々と作る。
二人で寄り添って肩を並べて歩いた都の大通り、隠れ家で、まるで無邪気な子どものように膝枕をねだってきたユンの屈託ない笑顔。更に人気のない殿舎で明姫を情熱的に求めてきた彼の熱っぽい視線や明姫の身体中をまさぐった悪戯な指。