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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り
それらの彼との大切な想い出の一つ一つが物凄い速さで甦り、遠ざかってゆく。
―私は生涯かけて、そなただけを愛し守り抜くよ。
耳許で力強く響いたユンの声。真摯な表情で告げた誓いの言葉もすべては偽りにすぎなかったというのだろうか。
自分が惚けたように王の顔を見つめていたことに気づき、明姫は慌てて顔を伏せた。間違っても、国王殿下と拘わりがあるなどと周囲に知られてはならない。今日ここで犯してしまった失態だけでも十分すぎるほどなのに、この上、国王と恋を語っていたなどと露見すれば、どれだけ窮地に追い込まれるか。
幾ら明姫でも、今の自分の立場の危うさは十分に理解できた。
明姫はもう一度地面に額をこすりつけると、そのまますごすごと御前を下がるしかなかった。
―私は生涯かけて、そなただけを愛し守り抜くよ。
耳許で力強く響いたユンの声。真摯な表情で告げた誓いの言葉もすべては偽りにすぎなかったというのだろうか。
自分が惚けたように王の顔を見つめていたことに気づき、明姫は慌てて顔を伏せた。間違っても、国王殿下と拘わりがあるなどと周囲に知られてはならない。今日ここで犯してしまった失態だけでも十分すぎるほどなのに、この上、国王と恋を語っていたなどと露見すれば、どれだけ窮地に追い込まれるか。
幾ら明姫でも、今の自分の立場の危うさは十分に理解できた。
明姫はもう一度地面に額をこすりつけると、そのまますごすごと御前を下がるしかなかった。