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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り
「済まぬ、許してくれ」
逞しい腕の中に明姫を閉じ込め、ユンは言った。王衣を纏っている彼の姿を見ていなければ、まだ彼が国王だという現実を信じられないだろう。こうして抱きしめられ彼の声だけを聞いていたら、先刻見たばかりの彼の姿は幻だったのだと、悪い夢を見たのだと思ってしまいそうになる。
「何で騙したの?」
今更、彼を責めたところでどうにもならないと知りながら、口にせずにはいられなかった。
「騙すつもりはなかった」
ユンが苦渋に満ちた声で言った。
逞しい腕の中に明姫を閉じ込め、ユンは言った。王衣を纏っている彼の姿を見ていなければ、まだ彼が国王だという現実を信じられないだろう。こうして抱きしめられ彼の声だけを聞いていたら、先刻見たばかりの彼の姿は幻だったのだと、悪い夢を見たのだと思ってしまいそうになる。
「何で騙したの?」
今更、彼を責めたところでどうにもならないと知りながら、口にせずにはいられなかった。
「騙すつもりはなかった」
ユンが苦渋に満ちた声で言った。