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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り
今だって、王の位なぞ誰でも欲しければ、くれてやっても良い。名もないただの男として、そなたを妻として二人だけ市井でひっそりと生きてゆきたいと願っている」
ユンが振り絞るように言った。
「私にはできないんだ。私が王位を投げ出せば、誰が王となる? 王族の男子を立てて新しい王とすることは容易いだろう。でも、それをすれば、私はこの国と民を自ら棄てることになる。たとえ不甲斐ない王であっても、ひとたび玉座につけば、国と民の父なんだ。私を信じている民を裏切ることは私にはできない」
生まれながらに王となるべく生まれたユン、彼は若くしてその肩に重すぎるものを背負った。まだ遊びたい盛りの歳で王となり、この国の未来をその細い肩に背負わされたのだ。
ユンが振り絞るように言った。
「私にはできないんだ。私が王位を投げ出せば、誰が王となる? 王族の男子を立てて新しい王とすることは容易いだろう。でも、それをすれば、私はこの国と民を自ら棄てることになる。たとえ不甲斐ない王であっても、ひとたび玉座につけば、国と民の父なんだ。私を信じている民を裏切ることは私にはできない」
生まれながらに王となるべく生まれたユン、彼は若くしてその肩に重すぎるものを背負った。まだ遊びたい盛りの歳で王となり、この国の未来をその細い肩に背負わされたのだ。