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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第5章 第一話【桜草】 別離という選択
その時、扉の向こうから遠慮がちに声がかけられた。急いで開けると、見慣れた朋輩の顔がある。明姫よりは二つ年上だが、入宮の時期もほぼ同じで見習い時代から仲の良かった娘だ。あまり社交家でない明姫にとっては、数少ない親友と呼んで良い。
「提調尚宮さま(チェジョサングンマーマ)がお呼びよ」
明姫は眼を瞠った。提調尚宮は後宮女官長、つまり後宮の取締役である。後宮の女たち、つまり内命婦(ネミョンプ)を統括するのは後宮の長である王妃だが、それは後宮内のことを決める決定権を持つというだけのもので、実務面での運営を行っているのは提調尚宮である。
「提調尚宮さま(チェジョサングンマーマ)がお呼びよ」
明姫は眼を瞠った。提調尚宮は後宮女官長、つまり後宮の取締役である。後宮の女たち、つまり内命婦(ネミョンプ)を統括するのは後宮の長である王妃だが、それは後宮内のことを決める決定権を持つというだけのもので、実務面での運営を行っているのは提調尚宮である。