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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第6章 第二話 【桔梗の涙】 予知夢

「申し訳ございません。また、殿下(チヨナー)のお眠りを妨げてしまいましたね」
「何を言う」
傍らの男―ユンは露骨に眉を顰めた。
「私はそなたの良人だ。良人が妻を心配するのは当然ではないか」
李胤(イ・ユン)は明姫の最愛の良人であると同時に、この国を統べる王でもある。
明姫は最初、ユンの素性を知らずにめぐり逢い、恋に落ちた。彼が至高の存在である国王だと知ったのは、知り合った後のことだ。
明姫は元々、両班の息女であった。父は捕盗庁(ポトチヨン)の副官をしており、先代国王の信頼も厚い武官であったものの、謀殺された。両親を初めとする大切な人たちすべてを理不尽に奪われたあの夜を明姫はいまだに忘れられない。
「何を言う」
傍らの男―ユンは露骨に眉を顰めた。
「私はそなたの良人だ。良人が妻を心配するのは当然ではないか」
李胤(イ・ユン)は明姫の最愛の良人であると同時に、この国を統べる王でもある。
明姫は最初、ユンの素性を知らずにめぐり逢い、恋に落ちた。彼が至高の存在である国王だと知ったのは、知り合った後のことだ。
明姫は元々、両班の息女であった。父は捕盗庁(ポトチヨン)の副官をしており、先代国王の信頼も厚い武官であったものの、謀殺された。両親を初めとする大切な人たちすべてを理不尽に奪われたあの夜を明姫はいまだに忘れられない。

