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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第6章 第二話 【桔梗の涙】 予知夢
 何故か酷く疲れていた。いや、正しくいえば、疲れているのは身体ではく精神(こころ)だ。褥に身を横たえ、ただ眠っていただけのはずなのに、心はまるで百年を生きた老人のように重く疲れ果てている。
「明姫、大事ないか?」
 また聞き憶えのある声が聞こえ、明姫はゆっくりと眼を開いた。と同時に意識が急速にはっきりとしてきた。水底(みなそこ)深く沈んでいた意識がふいにぽっかりと水面に顔を出したようだ。
「はい、大事ありません」
 明姫は頷き、弱々しく微笑んだ。
「また、あの夢を見たのか?」
 気遣わしげに問う男を明姫は静かな瞳で見つめ返し、頷く。
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