この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第7章 第二話 【桔梗の涙】 異変
王の心が昭容にないことは判りきっていたから、何とか平然としていられたのだ。王妃が心から憎むのは、人形のように良人に抱かれ子を身籠もるだけの女ではない。王が心底から愛し、心を傾けた女なのだから。
ところがである。その王の心を奪った女がついに現れたのである。
王妃が物想いに囚われていると、孫尚宮が姿を見せた。
「中殿さま。国王殿下がお越しにございます」
孫尚宮は四十歳ほどで、実家にいる母とさほど変わらない。十五歳で慣れない宮殿に入ってきた日から、陰ひなたなく、まめやかに仕えてくれた。
ところがである。その王の心を奪った女がついに現れたのである。
王妃が物想いに囚われていると、孫尚宮が姿を見せた。
「中殿さま。国王殿下がお越しにございます」
孫尚宮は四十歳ほどで、実家にいる母とさほど変わらない。十五歳で慣れない宮殿に入ってきた日から、陰ひなたなく、まめやかに仕えてくれた。