この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第8章 第二話 【桔梗の涙】 陰謀
恐らくは成女官を殺して遺書を懐か袖に入れようとした矢先に、監察部の女官の足音が聞こえ、犯人が逃げたとか。やむなく、それで成女官の居室に遺書を忍ばせた―?
明姫の思考はめまぐるしく回転する。
「気になる点があります。成女官はどのようにして死んでいたのですか?」
問えば、楊尚宮は思案げに眼を伏せた。
「首を吊っていました。自らの上衣を破き、それを繋いで紐を作っていたのです」
明姫は唸った。ますます不自然なことばかりだ。上衣を破くといっても、人ひとりが首を吊るだけの長さと頑丈さの紐を作るとなれば、かなりの布地が要る。とすれば、上衣は脱ぎ棄ててしまわなけばならない。
明姫の思考はめまぐるしく回転する。
「気になる点があります。成女官はどのようにして死んでいたのですか?」
問えば、楊尚宮は思案げに眼を伏せた。
「首を吊っていました。自らの上衣を破き、それを繋いで紐を作っていたのです」
明姫は唸った。ますます不自然なことばかりだ。上衣を破くといっても、人ひとりが首を吊るだけの長さと頑丈さの紐を作るとなれば、かなりの布地が要る。とすれば、上衣は脱ぎ棄ててしまわなけばならない。