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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第9章 第二話 【桔梗の涙】 対決
集賢殿の学者の一人からの書状をひととおり読み終えた時、ユンはひとりでに破顔した。
何を隠そう、愛する妃との出逢いを思い出してしまったからだ。最初に彼女と出会ったのは宮殿の牡丹園であったが、二度目は漢陽の町外れだった。
両班の極道息子に眼を付けられ困っていた彼女を彼が助けた時、彼は明姫に武官だと名乗った。
―嘘、武官には到底見えないわよ。
と、明姫はいともはっきりと言ってくれた。
そんな彼女にユンは慌てて〝では、集賢殿の学者だ〟と言い換えたのだけれど。
明姫は彼の正体については頓着しないらしく、ただ笑っているだけだった。
何を隠そう、愛する妃との出逢いを思い出してしまったからだ。最初に彼女と出会ったのは宮殿の牡丹園であったが、二度目は漢陽の町外れだった。
両班の極道息子に眼を付けられ困っていた彼女を彼が助けた時、彼は明姫に武官だと名乗った。
―嘘、武官には到底見えないわよ。
と、明姫はいともはっきりと言ってくれた。
そんな彼女にユンは慌てて〝では、集賢殿の学者だ〟と言い換えたのだけれど。
明姫は彼の正体については頓着しないらしく、ただ笑っているだけだった。