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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第9章 第二話 【桔梗の涙】 対決
ユンはやおら立ち上がった。
「これから監察部に行く」
「殿下! ですが」
「もう私を止めても無駄だ、黄内官」
乾いた声で言うと、黄内官は懸命な面持ちで言った。
「しかしながら、殿下。私は監察部の楊尚宮より聞きました。その淑媛さまのお言葉をお聞きになっても、殿下はまだ監察部に行かれるというのですか!」
「そなたが一体、何を聞いたというのだ」
「今朝、楊尚宮がもう殿下にお縋りするしか淑媛さまが助かるすべはないと進言した時、淑媛さまは〝私のことは放っておいて下さい、そう殿下にお伝えして欲しい〟とおっしゃったそうなのです」
「これから監察部に行く」
「殿下! ですが」
「もう私を止めても無駄だ、黄内官」
乾いた声で言うと、黄内官は懸命な面持ちで言った。
「しかしながら、殿下。私は監察部の楊尚宮より聞きました。その淑媛さまのお言葉をお聞きになっても、殿下はまだ監察部に行かれるというのですか!」
「そなたが一体、何を聞いたというのだ」
「今朝、楊尚宮がもう殿下にお縋りするしか淑媛さまが助かるすべはないと進言した時、淑媛さまは〝私のことは放っておいて下さい、そう殿下にお伝えして欲しい〟とおっしゃったそうなのです」