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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第10章 第二話 【桔梗の涙】 切ない口づけ(キス) 
 物言わぬ赤児を抱きながら、ユンはひっそりと涙を流した。これで自分も漸く人の親になれるはずだったのに、赤児は泣き声を上げることもなく遠い場所に旅立った。
 昭容の落胆ぶりは烈しく、ユンから赤児を奪い取るようにして抱きしめ、号泣していた。自身も大出血を来たし、生命を失いかねない状態でやっと産み落とした赤児が死んでいた―。母親ならば、誰もが嘆き哀しむだろう。
 加えて、この赤児はこれからの昭容の後宮における限りない栄華を約束してくれる象徴でもあったのだ。
 王女といえども、国王のただ一人の御子。その生母の立場は強いものになったに相違ない。
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