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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第10章 第二話 【桔梗の涙】 切ない口づけ(キス)

「―殿下」
明姫は立ち上がろうとして、目眩を憶えた。一瞬ふらついたところ、辛うじて壁に手を突いて身体を支えた。
「明姫!?」
ユンが牢に填った格子に取りついた。
「大丈夫か?」
しばらく眼を閉じてそのままでいた明姫は、やがて眼を開いた。微笑んで頷いて見せる。
今夜のユンは龍袍ではなく、群青色のパジを纏っている。深みのある蒼が端正な面を際立たせていた。なるほど外見だけでもこれだけ美麗で凛々しく、更に国王という至高の地位にある男であれば、女は皆、その腕に抱かれたいと願わずにはいられないだろう。
明姫は立ち上がろうとして、目眩を憶えた。一瞬ふらついたところ、辛うじて壁に手を突いて身体を支えた。
「明姫!?」
ユンが牢に填った格子に取りついた。
「大丈夫か?」
しばらく眼を閉じてそのままでいた明姫は、やがて眼を開いた。微笑んで頷いて見せる。
今夜のユンは龍袍ではなく、群青色のパジを纏っている。深みのある蒼が端正な面を際立たせていた。なるほど外見だけでもこれだけ美麗で凛々しく、更に国王という至高の地位にある男であれば、女は皆、その腕に抱かれたいと願わずにはいられないだろう。

