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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第10章 第二話 【桔梗の涙】 切ない口づけ(キス)

明姫は哀しい想いで、美しい国王をしみじみと眺めた。義禁府に拘束されて、もう三日が経っている。もちろん、三度の食事は薄い粥が運ばれてくるけれど、食欲など湧くはずもない。
いつも殆ど手つかずで返していたから、身体はどんどん衰弱していくばかりだ。
明姫はまた倒れてユンを心配させないようにと、今度はゆっくりと歩いた。狭い牢の隅から隅までが随分と遠い距離のように思える。気力と体力を振り絞って漸く格子戸の前に来ると、くずおれるようにへたり込んだ。
「このような場所にお越しになってよろしいのですか?」
微笑んで彼を見上げると、ユンは絶句した。
いつも殆ど手つかずで返していたから、身体はどんどん衰弱していくばかりだ。
明姫はまた倒れてユンを心配させないようにと、今度はゆっくりと歩いた。狭い牢の隅から隅までが随分と遠い距離のように思える。気力と体力を振り絞って漸く格子戸の前に来ると、くずおれるようにへたり込んだ。
「このような場所にお越しになってよろしいのですか?」
微笑んで彼を見上げると、ユンは絶句した。

