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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第10章 第二話 【桔梗の涙】 切ない口づけ(キス)
その夜半、大殿の寝所で眠っていたユンは、控えめな呼び声に起こされた。
「黄内官か?」
「はい」
忠実な老内官はユンにとっては影のような存在だ。国王の側には、いつもこの内官の姿がある。
今、黄内官はそれこそ本物の影のように寝所にひっそりと佇んでいた。大殿内官といえども、王の許可なしに寝所にまで入れるのは黄内官のみである。いかに若い王がこの内官を信頼しているかの証でもあった。
「どうした、何かあったのか?」
「黄内官か?」
「はい」
忠実な老内官はユンにとっては影のような存在だ。国王の側には、いつもこの内官の姿がある。
今、黄内官はそれこそ本物の影のように寝所にひっそりと佇んでいた。大殿内官といえども、王の許可なしに寝所にまで入れるのは黄内官のみである。いかに若い王がこの内官を信頼しているかの証でもあった。
「どうした、何かあったのか?」