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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第10章 第二話 【桔梗の涙】 切ない口づけ(キス)
「殿下、先ほど、義禁府より連絡が入りました」
〝義禁府〟のひと言に、ユンは過剰に反応した。
「何か―あったのか! 明姫の身に何か起こったのか?」
黄内官の胸倉を掴まんばかりの剣幕に、黄内官は年若い主君を宥めるように言った。
「どうか落ち着いて下さいませ。あまりに激されては、御身に触りますゆえ」
「そのような悠長なことは申してはおれぬ」
ユンの脳裏に、数時間前に見たばかりの明姫の姿が浮かんだ。ただでさえ小柄で細身であったのに、ますます痩せていた。もう一人では立って歩くことすらままならなくなっているほど衰弱していたのだ。
〝義禁府〟のひと言に、ユンは過剰に反応した。
「何か―あったのか! 明姫の身に何か起こったのか?」
黄内官の胸倉を掴まんばかりの剣幕に、黄内官は年若い主君を宥めるように言った。
「どうか落ち着いて下さいませ。あまりに激されては、御身に触りますゆえ」
「そのような悠長なことは申してはおれぬ」
ユンの脳裏に、数時間前に見たばかりの明姫の姿が浮かんだ。ただでさえ小柄で細身であったのに、ますます痩せていた。もう一人では立って歩くことすらままならなくなっているほど衰弱していたのだ。